こんにちは!INUMESHI店長のもんどです!
前回は、「正しいペットフードの選び方、ライフステージに合わせたフード」について、ご紹介しました。
わんちゃんのフードは目的別に分かれており、さらにライフステージに合わせて選ぶ必要がありましたね!
ただ、それだけでは愛犬にあったフードを選ぶのは、まだ難しいと思います…。
実際、何を基準にどんなフードを選んだらいいのか分かるといいですよね!
そこで、今回は「ドッグフード選びのポイント」について、ご紹介したいと思います。
ドッグフードを選ぶポイント
ドッグフードを選ぶ際には、以下の5つのポイントを確認しましょう!
原産国
人の食べ物は、外国に比べて日本の食に対する安全基準が高水準ということから、国産を選ぶ方が多いと思います。
そのため、わんちゃんのドッグフードも「国産の方が安全!」と考え、国産のドッグフードを選ぶ方も多い気がします。
ただペット関連だと海外の方が「ペット先進国」と呼ばれ、ペットに対する考え方が進んでおり、ペット・ペットフードに関する厳しい法律が定められているので、品質の良いドッグフードが生産されています。
主にドイツ・イギリス・スウェーデン・アメリカ・カナダ・スイス・ニュージーランド・オーストラリアがペット先進国と呼ばれています。
残念ながら日本はまだ「ペット後進国」と呼ばれ、まだまだ欧米諸国に比べると様々な分野で遅れをとっています。
日本でのペットフードは、農林水産省と環境省が定めた、ペットの健康と安全を守るための「ペットフード安全法」があり、原材料・賞味期限・製造業者・原産国の記載を義務付けたり、製造法のガイドラインが定められています。
ですが、日本ではペットフードは、食品ではなく「雑貨」に分類されます。
また、人の食品には使用禁止されている添加物でも、ペットフード では、使用されていたりまします。
他にも動物性たんぱく質を主原料に使うことが多い外国産に比べ、国産産には動物性たんぱく質の吸収を阻害する穀物を主原料にしている物が多いといわれています。
ペット先進国では、ヒューマングレードといって「人間用の食品と同等基準のレベルで管理された品質の原材料」を使用したドッグフードがあります。ヒューマングレードの記載があるドッグフードは、人間が口にするものと同じレベルのものを原材料に使用しているということになります。
しかし、ヒューマングレードという表記については明確な定義が無いとされており、「ヒューマングレード=高品質」であるとすぐに結び付けるのは危険ですので注意しましょう。
このように、ペット先進国といわれる国々では、ドッグフードは当然「食品」という認識のもとに、高い安全基準をもとに、犬の体に悪影響を及ぼすものは配合されないように、しっかりと規制されて作られています。
ただし外国産だから安全、国産だから危険というわけでは決してありません。
また、「原産国」とはドッグフードを最終加工した地域のことを指します。つまり、原産国に国産の表記があっても、外国産の安価な原材料を使用しているケースもあります。
ですので、パッケージ裏面の原材料欄をチェックして、納得のいく安全性のものを選ぶように心がけましょう。
原材料
ペットフードのパッケージ裏面には原材料表が表示されています。
原材料表には、そのフードがどんな原材料を使用して作られているか、どんな成分が不決まれているかが記載されていますので、しっかりとチェックしましょう。
元来オオカミが祖先だったといわれる、わんちゃんは肉食動物といわれています。ですが、近年わんちゃんは、家畜化され人とともに暮らすようになり、人との暮らしのなかで「肉食寄りの雑食」といわれるようになりました。
ですが、わんちゃんにとって最適な栄養素は、動物性タンパク質ということに変わりはありません。
動物性たんぱく質には、血液・筋肉・臓器・皮膚などを形成する役割があり、ホルモンや免疫系統の生成にも関与している栄養素です。
ですので、原材料が肉や魚を中心とした「高タンパク質」のフードを選ぶようにしましょう。
いくら「肉食寄りの雑食」のわんちゃんでも、大豆などの植物性たんぱく質や穀物は、消化器官に少なからず負担がかかるといわれています。
ただし穀物アレルギーがなく健康なわんちゃんの場合は、植物性たんぱく質や穀物を摂取しても体に問題がない場合のケースもあります。
また、4Dミートを使用したフードは選ばないようにしましょう。
4Dミートには、4つの英単語の頭文字を意味しています。
- Dead(死んだ動物の肉)
- Dying(死にかけていた動物の肉)
- Diseased(病気の動物の肉)
- Disabled(障害のある動物の肉)
こうした理由で死亡した動物の肉は、人間の食用に使用する基準を満たしていません。
動物の病気や感染症なども様々なので、体内に寄生虫やがん組織を持っていた場合も考えられます。
ですが、廃棄処分を行うのにもお金がかかるため、これらの肉はレンダリング業者が回収してドッグフードにも利用されています。
こういったフードを愛犬には与えたくないと考える方も多いと思います。購入する際に注意している方もいると思いますが、残念ながら原材料表には「4Dミート」とは記載されていません。
パッケージの原材料表には「肉副産物」や「ミール」という名称で記載されています。
ただし、これらが記載されているからといって、必ずしも4Dミートが使われているとは限りません。
肉副産物は、肉を食品加工した際に出る骨や内臓、皮、羽などの総合した名称ですし、ミールはこの肉副産物を粉末状にしたものを指しています。
わんちゃんにとって栄養となるものもあり、メーカーが安全性を配慮して製造しているケースもありますので、気になる場合はメーカーに問い合わせてみましょう。
栄養のバランス
前回お話したように「1日に必要な栄養基準を満たしているドッグフードと総合栄養食」は、それと水だけで必要な栄養素をバランスよくまかなうことが出来る食事のことをいいます。
そのため、獣医師による指導がある場合を除いて、栄養バランスのとれたドッグフードを与えていれば健康を保つことができます。
ですので、健康のためといて、健康的なわんちゃんにサプリメントなどを与えることは、過剰に栄養補給をしてしまう原因となり、体に悪影響となるケースもあります。
また、人間用のサプリメントは動物にとって過剰なことが多いので、与えないようにしましょう。
逆に、栄養の不足もわんちゃん体に良くありません。
わんちゃんに必要な栄養素は、たんぱく質、脂肪、繊維、灰分、水分となり、これらがバランス良く配合されているものが栄養価の高いドッグフードとなります。
他にも健康維持に必要な必須脂肪酸の「オメガ3」や「オメガ6」が配合されているものが好ましいとされています。
しかしこれらは、体重や年齢などのわんちゃんのライフステージにより必要な栄養をは異なります。
また、必要エネルギーは常に一定ではなく、避妊・勢手術などをしてホルモンのバランスが変化した場合や夏や冬など季節によっても変動します。
高齢になると病気になり、療法食を与える必要もあるので、しっかりとわんちゃんに必要な栄養素を見極めバランスの良い食事を与えまましょう。
添加物、保存料
ドッグフードには添加物が下記の理由により含まれています。
栄養を補うため
ドッグフードは栄養がバランスよく摂取できるように、ビタミンやミネラルを添加する場合があります。
食材だけでは、様々な栄養が含まれており、増やしたい成分以外の栄養を過剰摂取してしまう恐れがあります。
そのため、栄養添加物として含まれているケースがあります。
品質安定・保存性向上のため
ドッグフードの品質や保存性を高めるため、保湿剤や乳化剤や増粘安定剤、保存料、酸化防止剤を使用する場合があります。
乳化剤は加工の段階で水と油を混ぜる際に使い、保湿剤はウェットタイプのドッグフードの水分を保ちます。他にも粘着安定剤は、粘りやとろみをつけたり、ドライタイプのドッグフードの粒の形を保つ「つなぎ」の役割を果たします。
保存料は食品中の細菌・カビの繁殖を抑え、酸化防止剤は、油などの参加を抑え賞味期限を伸ばすことができます。
風味や色味をつけるため
香料や甘味料は食いつきを良くするために添加されます。
香料や甘味料は、粗悪な原材料に匂いをつけたり、余計な添加物が多すぎて変な臭いがしたり、香料や甘味料を足して臭いをごまかしている場合もあります。
色のついたドライフードには着色料が使用されているケースもあります。着色料は、犬に必要のないもなので、そのようなフードは選ばないようにしましょう。
添加物や保存料はドッグフードの鮮度を保ったり栄養を補う役目を果たしているのも事実です。
ドライフードは酸化防止剤が入っていなければ油が劣化して下痢の原因になります。そのため天然由来の酸化防止剤を使用しているケースがあります。
規定の範囲内であれば過度に避ける必要はありませんの、「添加物=悪いもの」と決めつけず、目的に沿って必要なものを利用するようにしましょう。
グレインフリー(穀物不使用)
小麦やトウモロコシ、米などの穀物全般を全く使わない「グレインフリー」のドッグフードが注目を集めています。
人間にとってはエネルギー源となり主食でもある穀物ですが、先ほどもお伝えした通り「肉食よりの雑食」であるわんちゃんは、たくさんの穀物を食べてしまうと消化器官に負担がかかってしまいます。
また、グレイン(穀類)のなかでも、特に小麦やライ麦などに含まれるグルテンは食物アレルギーの原因となったり、血糖値があがり肥満になりやすいとされています。
そのため、グレインフリーを選ぶ飼い主さんも増えてきています。
ただし、グレインフリーにもデメリットはあります。
グレインフリーは、動物性たんぱく質である肉を主な原材料として製造しています。
そのためタンパク質の過多で腎臓や肝臓、心臓の負担が大きくなるというデメリットがあります。
また、高タンパク質を避けるために、穀物の代わりに豆類を使用するタイプがあります。
豆類はレクチン、サポニン、フィチン酸が多く、腸への悪影響、また銅が肝臓へ蓄積され排泄機能にも及ぼすことが分かっています
「AAFCO」(全米飼料検査官協会)によると、水分を抜いた状態のフードに対し、成犬の場合は18%以上、子犬は22%以上のタンパク質が含まれるべきとされています。
また、タンパク質の量以外にもアミノ酸を含んだ質の良いタンパク質を摂取することが重要になります。
まとめ
今回は、ドッグフードを選ぶポイントについてご説明しました。
皆さんは、このポイントに気をつけて今までフードを選んでいたでしょうか!?
原産国・原材料・添加物、保存料・グレインフリーなど、どれも目にしたり、耳にしたことはあれど、ここまでこのポイント注意しなくてはいけない深い理由までは知らなかった方も多いと思います。
今まで、気にしていなかった方は、今後フードを選ぶ際は、5つのポイントに注意して選んでみてくださいね。